奥村先生を中心にして1981年からはじまっていた「ソーラー研」に、ぼくもごくごく自然に加わった。 「ソーラー研」は建築家や研究者が集まって、太陽熱や自然エネルギーの利用など、それぞれが意見を出し、みなでワイワイと楽しく話し合うものだった。 ここでの話の中から、ぼくがハンドリングボックスの原型をつくることになった。 そのころ空調機器といえば、エアーハンドリングボックス=エアハンのことで、2m角ぐらいあるのが普通だった。 ハンドリングには、持つ以外に運ぶ(搬送する、送り出す)という意味がある。 ぼくがつくったのは「マイクロエアハン」で小型のもの。ファンは一般家庭で使われる換気扇で十分で、50Wの消費電力でいいだろうということで、プロペラファンになった。 最初にこの「マイクロエアハン」を見た建築家・石田信男さんは、目の前に置いてあるのに、それと気づかなかった。 なぜなら彼は設備屋の巨大なエアハンをイメージしていたからだ。彼のアドバイスで3,4台試作して誕生したのが「お蚕さん」と呼ばれているハンドリングボックスで、これが後のOMソーラーシステムのハンドリングボックスの原型である。(1986年) ソーラー研の人たちが面白がってやっているのであって、普及を図るなんてことには関心がなかった。
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お蚕さん |