3月21日、22日に行われた、埼玉県東松山市に新しくオープンする桑の木保育園のお披露目の見学会に、環境創機からも2名、参加させていただきました。
「わらしべの里共同保育所」に引き続き、そよ風を採用していただいた保育園です。
設計は、アトリエフルカワ一級建築士事務所の古川さん、施工は、竹並建設さんでした。
当日は、3月とはとても思えないほど暖かく、《そよ風》はセンサーの取り付け不良があって1台しか稼働していませんでしたが、それを感じさせないぐらいの陽気でした。
この保育園では、大規模木造建築の構造材を無垢材でつくるときにネックとなる材料の調達を、川上から川下まで製材所と設計事務所がタッグを組んでコーディネートすることで、実現しています。
行動力が半端無い古川さんならではの実行力で実現したこの建物は、コロナウィルスによる自粛ムードを吹き飛ばすぐらいに大勢の見学客を集めていました。
木材活用について、見学者の関心が高いのは当然ですが、それに負けないくらい《そよ風》への関心も高く、多くの方からその仕組みや導入方法について聞かれ、説明させていただきました。
太陽熱で温められた木材のぬくもりを、園児が直に触って感じられること、外気導入型のソーラーシステムであるため、大量換気によって園内感染予防につながることなどを説明すると、皆さん、大きく頷いていただき、手応えを感じることができました。
一方、シングルガラスの木製建具を使用していることに関して、「これで温熱環境は大丈夫なの?」と大勢の方から聞かれました。
もちろん、温熱的には断熱性能・気密性能共に、既製品のサッシを使うのとは差がありますが、
・この建物は住宅では無く保育園であること
・そのために、日常では、園庭と室内をつなぐ窓は基本的に開放しながら保育活動が行われること。
・子供を快適な環境にした室内に閉じ込めておかず、自然の中で遊ばせることを重視していることが、園の方針でもあること。
・基本的に保育室は日中使われる建物であり、夜間は無人になること。
など、保育園としての機能を優先した選択であることをお話しさせていただきました。
今回《そよ風》も、集熱効率が高いガラス集熱式ではなく、採熱板方式で施工されていました。
床下が暖かく、換気が多ければ、保育園での用途としては十分だという、建築家の割り切りは評価できると思いました。
園児達が、室内や園庭を区別することなく、走り回る様子が、今から思い浮かびます。
ありがとうございました。