OMソーラーの排気運転を逆転排気(そよ風2化)にする改造は、これまで何度か取り組んできました。
夏排気の経路を変えて、リターンから空気を吸い込み、棟ダクトに逆転で流すことによって、夏の暑さを解消する改造手法のことです。
夏に熱気をハンドリングの中に入れないため、小屋裏の暑さが解消される利点がありますが、ただこの方法は「夏のお湯取り」ができなくなるという欠点を持っています。
貯湯槽が壊れたなど、「もうお湯取り」をしない方であれば良いのですが、「お湯取りは機能しているし残したい」という施主にとっては、受け入れられないものでした。
工務店さんに、「両方ともできるようにならないですか?」と相談をいただいて、考えたのが、切替吹出口を利用して、ハンドリングを改造する方法です。
概念図で説明するとこんな感じです。
夏排気ダクトの中間に、新規に電動の切り替え吹出口を設けて、一方を棟ダクトへ、他方はそのまま夏排気口ダクトへと接続します。
あとは、制御で、お湯採りと逆送の夏排気を切り替えます。
お湯取りの場合は、空気はオレンジ矢印のとおりに動きます。
逆走の排気運転の場合は、空気は、青矢印のとおりに動きます。
今回、制御を盛り込むのが相当に大変でした。
逆転排気と、お湯採り夏排気は、これまで全く別のロジックで動いていたので、同時に矛盾無く制御をプログラミングするのは、相当大変な頭の体操でした。
条件として設定できるのは、下記のとおりです。
1.常に貯湯排気運転をする
2.湯温が、40℃、45℃、50℃に達したら、逆走排気運転を行う
3.5分毎、10分毎、20分毎に、どちらかの運転を切り替える
4.常に逆転排気
ここまで準備したところで、実際の取り付けを行いました。
まずは、制御盤の交換です。今回はT型制御盤TC-1を、最新のTC-10に交換します。
交換前のTC-1の制御盤です。
本体を壁から取り外し、配線を引っ張り出します。
TC-10用に配線を繋ぎ直していきます。
続いて、小屋裏に上がります。
ここでも、配線のつなぎ直しを行います。小屋裏にはパワーユニットがあり、配線がつながっています。
今回は、この中の12芯の信号ケーブルを利用します。
ケーブルの割当表に基づいて配線を組み直します。
棟温度センサーを繋ぎ直したところ。他のケーブルも同様に作業します。
TC-10用のパワーユニットを柱に固定します。場所はTC-1のパワーユニットが設置されていたのと同じ場所です。
パワーユニットを設置し終わったら、各ケーブルを再接続します。
午後からは、排気ダクトに切替吹出口を挟み込む工事を行いました。
切替吹出口の設置場所や位置を確認しています。
位置決め後、ダクトを切断しています。
棟ダクトも穴を開けて、ダクトをつなげます。
無事切り替え吹出口の接続が完成しました。
動作確認後、ソフトウェアの修正が必要となったので、翌日再訪してマイコンを書き換えました。
再度、動作確認し、正常に動作したので、今回の改良工事は完了です。
お知らせ
環境創機では、古いOMソーラーのハンドリングの修理を行っております。
製品の交換品の支給の他、出張修理も承っております。
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交換の実例は、こちらの記事をご参照ください。
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2023-04-07 最近のOMソーラー修理を一挙公開
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