そよ風Rプロジェクトで発表した、新しい集熱方式において、集熱実験を行いました。
これまで、《そよ風》の集熱方式は、
ガラス集熱方式(瓦棒葺き)
採熱板集熱方式(瓦棒葺き・縦ハゼ葺き)
ガラス+採熱板集熱方式(瓦棒葺き)
そよルーフ集熱方式(太陽光発電+太陽熱集熱)
の4種類でした。
今回、上記4つに加え、新たに
嵌合式縦ハゼ葺き屋根用のガラス集熱方式(ガラス+採熱板集熱方式)
集熱パネル方式
の2種類(3種類)がラインナップに加わりました。
今回、新たに加わるガラス+採熱板集熱方式(嵌合式縦ハゼ葺き)及び、縦使い集熱パネル方式について、集熱量の比較実験を行いました。
左から、ガラス+採熱板集熱方式(嵌合式縦ハゼ葺き)、集熱パネル方式(縦使い)、ガラス+採熱板集熱方式(瓦棒葺き方式) の3方式となっています。
それぞれの集熱方式は、同じ面積の集熱面を持っており、同じ風量(56 m3/h)を流して、取得できる熱量(実際には、出口温度-入口温度を比較値として採用する)について、比較しました。
集熱実験の概要
実験場所 : 東京都あきるの市
勾配 : 5寸勾配
実験モデル: 910×2000mmの集熱面積を持つモデルにて、ファンを設置し、毎時56m3の風量を流す。
入口温度と出口温度を10分毎に計測。9:00~17:00までの出口温度と入口温度の差を求めた結果を集計し、1日における総量を集熱効率と見立て、それぞれの方式を比較する。
実測結果
以前、測定した結果を元に、ガラス集熱方式を100%とした場合、集熱パネル方式は、117%の集熱効率であるという結果が得られたので、そこから、各方式の集熱効率を割戻ししてグラフ化しました。
ガラス集熱方式を100%とした場合に、集熱パネル方式(縦使い)は117%、ガラス+採熱板方式(瓦棒葺き)は、135%、ガラス+採熱板方式(嵌合式縦ハゼ葺き)は、139%という結果になりました。
ガラス+採熱板方式は、それまでの瓦棒葺きでも、ガラス集熱方式に比較して、35%以上集熱効率が高く、今回の嵌合式縦ハゼ葺きでも、同等以上の集熱効率が得られることが実験で実証されました。
今後は、これらの結果を踏まえて、より良い集熱面、ひいてはより良い《そよ風》を目指していきたいと思います。
なお、今回は、集熱パネルの横使いについては、実験で、単体では、66%、0.9mの予備集熱面でも84%と、集熱量が低い結果しか得られませんでした。
集熱パネルの横使い方式については、《そよ風》の集熱面としては推奨しない方針です。ご了承ください。