住宅市場にこのような動きがあったちょうど同じ頃、木曽三岳奥村設計所ではごく原始的なソーラーの仕組みに取り組んでおり、そのころ公開されたばかりの形状記憶合金を使ったダンパーの試作をしていた。
しかし、そのダンパーがぴたっと閉まらず困っており、僕に相談が来た。 実物の試作品を見せてもらうと、「よし、これだ!」とひらめいたものがあった。そして「先生これでどうですか」とぼくのつくったダンパーを持って行った。 このメカニズムは使えると判断された先生の求めで同じものを3、4台つくった。 この原始的ソーラーのダンパーの開閉による空気の流れを見て、少しずつソーラーの世界に入っていった。 大規模な建物にではなく、住宅に応用できることに新鮮さを感じたからだ。 |
木曽三岳奥村設計所が設計したT邸に設置された空気集熱系ファンコイルチャンバー 1410mm×830mm×265mm の直方体の箱 |